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2012年6月 6日 (水)

嫌われた金星

庚申信仰とは何か

 今日6月6日に金星が太陽の前を通過する天体ショーがあった。世界の人々は宇宙の大スペクタクルに歓喜してその模様をみつめていたが、古代中国ではこのような光景は歓迎されない天のスペクタクルであったように思う。
すなわち古代中国人が考えた道教の教えの中に庚申信仰というものがあったのであるが、庚申とは不吉な天体ショーを意味した星占いのひとつである。庚申の庚は十干の中では金星と太陽の組み合わせ(かのえ)で申は黄道十二星座のいて座を表している。
去る5月21日に金冠日食が観測されたが、金冠日食とは庚申信仰の十干から考えてみれば辛(かのと)であり金星と月の関係があることを意味している。今年は太陽、月、地球、金星の直線的な庚(かのえ)辛(かのと)のラインが発生したことになる。
私たちの身の回りに存在する庚申塔、その石塔たちは何のために、どういう目的で建立されたのか、彼らは私たちに何を語っているのかよく吟味する必要があると思う。

Kousin1209

五行思想とは何か

 私たちの体内には一般的に時計遺伝子が存在すると考えられている。これによって、私たち人類は毎日、太陽が昇ると眠りから目覚め、陽が落ちるとまた眠りにつくという習慣的なことを繰り返している。時計遺伝子とは私たちが太陽によって刻まれている体内時計の針と言っても過言ではない。
そのほかに古代中国では惑星時計というものを考えていたようある。それは五行思想、すなわち太陽系惑星の五つの星(水、金、火、木、土)の行いというもので考えられていた。
これらの惑星は60年経つとそれぞれの持つ太陽を回る公転周期の最大公倍数で再び同じような組み合わせに戻るために、このことを還暦と呼んだ。私たちが60歳の年齢に達したときに還暦と呼んでいるのも五行思想が背景にある。
そして、古代中国では占星術でとくに庚申の組み合わせを最凶としていたために、昔の日本では江戸時代まで道教の教えに習って庚申の前の年、すなわち辛酉の年に厄除けのために年号を換え辛酉革命というものを行ってた。

いっぽう、アメリカには17年蝉という不思議な蝉がいる。彼らは17年周期で地中から一斉に這い上がって地上を飛び交って、子孫を残して死んでいく。
彼らの生命のリズムは私たちの考える体内時計では十分説明ができない。彼らはどうやって自らの体内時計で17年という時間を読んでいるのだろうか。
これを道教の五行思想の惑星時計という考え方で推理してみると17年周期の惑星の組み合わせで彼らは地上に這いあがってくると考えると謎が解けるような気がする。

病気と五行思想

 古代中国の五行思想には太陽系惑星が地球上の人間や万物にも影響を与えていると考えられていた。太陽系黄道の周りには12の星座があり、木星は毎年時計の針のようにその星座のひとつひとつを指しながら12年かかって太陽の周りを回っている。
私たちが12年、24年という人生の節目で厄払いを行う習慣もそこから来ている。
西洋でも同じような考えがあり、パラチルスス(スイスの学者1493年生まれ)は天体との関係によって人が健康を害したり病気になったりすることがあると説いている。
 

現在の惑星と星座の組み合わせを読む

 2012年6月現在の惑星と星座の組み合わせは下の図の通りである。木星、金星、太陽、地球、いて座(申)が一線に並んでいるのが分かる。
これらは太陽や惑星、いて座といった引力のベクトルが横一線に近いことが分かる。力のバランスが今、横一線にある状態だ。

Kousin1207

庚申信仰、嫌われた金星

 古代の中国人は何故、金星を忌み嫌ったのだろうか。まだ、原因となる古文書にたどり着いていないが、下の図に紹介しているように金星は太陽系惑星の中で、ただひとつだけ他の惑星と回転方向が逆である。
宇宙規模で考えてみれば誰も小さな金星の回転が地球に影響を及ぼすとは考えないかもしれないが、歯車の動きのように考えてみれば水星、金星、地球という歯車の回転システムが浮かび上がってくる。金星が惑星の中でただひとつだけ逆回転していると分かったのはつい最近のことだ。
従って金星が不穏な動きをすれば水星や地球にも何らかの影響が出るのではないかと考えることもできる。

Kousin1208

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